深夜のついったーで
-- 2010-04-25 Sunday
あづまさんとましろさんと三人で文体の話をしていたときに、なぜか突発的に共通のお題でそれぞれSS書きましょうという話になったので、なんの自重もせずヨシュネクさんを書きました。
せっかくなので載せておきます。
お題は「痴漢」です。ちょうどそのときミラクル☆トレインの話題が出てたからってお題がこれとかさすがおもらしチャットで繋がった三つ子ですね。そして出来上がったSSを見てみればみんな着衣射精大好き。
最初は「ネクがヨシュアさんに痴漢」みたいな話を描くはずだったのに若干ぶれました。あれ?
とりあえずエロですので、大丈夫な方は続きからどうぞ。
さすが花の金曜日。
としか言いようがない状況に、ため息をついて顔をしかめることでどうにか今自分を包み込むように触れている体温から気をそらそうとした。
恐らくそれも無駄な抵抗に終わるのだけれど。
「ネク君、ダイジョウブ?」
「……」
「すごいしかめっ面」
そう言って苦笑しながらするりと眉間のしわを撫でる指先に、思わずふるふると首を振る。
「っさわ、るなってば」
「ごめんごめん、もしかして息できないのかなって思って」
そのままさらさらと前髪を払う白いゆびも、頭上から降ってくる笑い交じりの声も、今の俺には拷問のようにしか感じられない。正確に言うと、俺の理性には。
終電間際の下り電車、しかも冒頭の通り今日は金曜日だ。ホームに上がったときから既に人の多さにげんなりしていたけれど、それが狭い車内に無理矢理収容された今となってはその混雑ぶりにため息しか出てこない。停車駅での乗り降りのたびに押し合いへし合いになるわ、走行中車体が傾くたびに寄りかかってくる人の重みで窒息するかと思った。
乗車十分で息も絶え絶えな俺を見かねたのか、それからヨシュアはどうにか人の出入りの隙間を縫って開かない方のドア際を確保すると、座席との仕切りに俺の身体を押し付けて自分が壁になるように立ち位置を変えた。始めのうちはそれで助かった、と思ったのだけれど。
車内は満員状態なせいで、ドアに肘を突いているヨシュアの身体とは密着せざるをえず、カーブに差し掛かったり、ブレーキが踏まれるだけで後ろの人に押されたヨシュアがぎゅうとこちらに寄りかかってくる。
その度に耳元をくすぐるヨシュアの髪の毛を意識しなくてはならなくて、近くなる吐息にばくばくと鳴る心臓は静まることを知らない。ヨシュアの胸に顔を押し付けているような状態で身体のどこもかしこもがくっついているものだから、公共の場だというのにヨシュアに抱き締められているように感じてしまって、俺の身体に反応するなという方が無理な注文だった。
「ぅ……よ、しゅあ」
「やっぱり金曜日は気をつけないとダメだね。僕はタクシーでもよかったんだけど」
電車で三十分以上かかる距離を平然とタクシーの方がいいんじゃない? などとのたまうこいつを必死で言いくるめたのは俺だけれど、そんなことよりも呼吸するたびに吸い込んでしまうヨシュアの花のような匂いのほうが問題だ。無機質な印象の強いヨシュアの人間らしい匂いというのはよほど密着しないと感じることのできないもので、甘い毒のように徐々にこちらを侵食する香りに頭がくらくらする。
「ふ……ぅ、く」
だめなのに。まだ電車の中なのに。周りにたくさん、知らない人がいるのに。
「ネク君?」
「ん、ゃ……ぁ、ふ」
気づけば、そんな自分の意思とは関係なく、既に形を成し始めている下肢を揺らしてヨシュアの身体へと擦りつけてしまっていた。俺の異変に気づいたらしいヨシュアの声に、早くやめないとと思うのに身体は全く言うことを聞いてくれない。
「は、ぁふ……う、うぅ」
「ネク君……勃っちゃったの?」
「う、ゃ……ち、が」
「だってほら、当たってるし」
俺にだけ聞こえるように、くすくすと漏れる笑いと吐息だけで喋るヨシュアの声が耳元を撫でるたびに、電流のような何かが背筋をびりびりと走って、ひくん、ひくん、とどうしても身体が揺れてしまう。その上、ほら、と言ってヨシュアが自身の膝でくいくいと俺の股間を押してくるものだから、一際大きくびくん、と身体が跳ねてしまった。
「ん、んん……っ!」
「ほら、しー。声出したら、他のお客さんに聞こえちゃうよ?」
微笑みながら人差し指を立てるヨシュアに、思わず両手で口を塞いだものの、言葉とは裏腹にその優雅な手つきでの悪戯は止まらない。
「あは、ダメじゃない。こんなところまで硬くして」
「や、ぁ……さわ、ちゃっ……」
「まだこの季節だからいいけど、夏服だったらすぐばれちゃうでしょ」
「ん、んんぅ……は、ぁ……そこ、はぁ……はふ、はぅ……」
するすると上着とシャツの間に入り込んだヨシュアのゆびが、服の上からでも分かるくらい硬くなった胸の尖りをわざとらしくぐにぐにと玩ぶ。ツメの先で引っ掻いたり、ゆびの腹で押しつぶすようにされたりするとその度に甘い痺れが身体を支配して、服の上からのもどかしい感触が余計に焦燥感を煽った。その上ヨシュアは硬い膝で俺の下肢を押し上げるのもやめてくれないものだから、たまらない。
「や、ら……しゅ、あ、だめっ……も、だめ、だから……ぁ、あっ」
「だって、こんなところで勃たせちゃったのはネク君じゃない」
「も、もぉ、ほんと、に……ッ……!!」
その瞬間、がくん、と電車が大きく揺れて、寄りかかってくるヨシュアの膝が強く股間を押した途端、びくん、びくんと身体が大きく跳ねたのを、誰かに見られはしなかっただろうか。大きな声を上げてしまわなかったのは幸いだけれど、腰が震えるたびに広がる下着の中のぐっしょりした感触に、呆然とすることしかできない。
「あ……っあ……」
「あれ、もしかして出ちゃった?」
よいしょ、と体勢を立て直したヨシュアがどうしてそんなことを平然とした顔で言えるのかがわからなくて、どうすることもできずに震える声音で小さく謝った。
「ぅ……あ……ごめ、なさ……」
「ふふ……別に謝らなくてもいいんだけど。僕に、興奮してくれたんでしょ……?」
「ふ、ぇ……」
「ほら、もう着くよ」
ヨシュアのその言葉で、どうしていいのかわからないままドアの上の車内表示を見上げると、『渋谷』の二文字が見える。いつのまにか、俺の知らない間にこの電車はそんなに走っていたらしい。
「帰ったら、ちゃんとしてあげるから」
俺の耳元にくちびるを寄せてそうっと囁く声に、再び背筋に甘い何かがぞくりと走った。
「部屋に着くまで我慢してね」
下着の中は先ほど射精した精液でぐしょぐしょと湿っていて、少し身じろぎするだけでも貼りつく布の感触に眩暈すらするほど居心地が悪い。けれど、駅から部屋に帰るまでの距離を思うと、長い長い夜の散歩になりそうで気が遠くなった。それでもふんわりと微笑むヨシュアに手を引かれて歩く帰り道を思うと、甘い痺れがじわじわと下肢を支配していったのがどうしてかなんて、俺にはわからない。
せっかくなので載せておきます。
お題は「痴漢」です。ちょうどそのときミラクル☆トレインの話題が出てたからってお題がこれとかさすがおもらしチャットで繋がった三つ子ですね。そして出来上がったSSを見てみればみんな着衣射精大好き。
最初は「ネクがヨシュアさんに痴漢」みたいな話を描くはずだったのに若干ぶれました。あれ?
とりあえずエロですので、大丈夫な方は続きからどうぞ。
さすが花の金曜日。
としか言いようがない状況に、ため息をついて顔をしかめることでどうにか今自分を包み込むように触れている体温から気をそらそうとした。
恐らくそれも無駄な抵抗に終わるのだけれど。
「ネク君、ダイジョウブ?」
「……」
「すごいしかめっ面」
そう言って苦笑しながらするりと眉間のしわを撫でる指先に、思わずふるふると首を振る。
「っさわ、るなってば」
「ごめんごめん、もしかして息できないのかなって思って」
そのままさらさらと前髪を払う白いゆびも、頭上から降ってくる笑い交じりの声も、今の俺には拷問のようにしか感じられない。正確に言うと、俺の理性には。
終電間際の下り電車、しかも冒頭の通り今日は金曜日だ。ホームに上がったときから既に人の多さにげんなりしていたけれど、それが狭い車内に無理矢理収容された今となってはその混雑ぶりにため息しか出てこない。停車駅での乗り降りのたびに押し合いへし合いになるわ、走行中車体が傾くたびに寄りかかってくる人の重みで窒息するかと思った。
乗車十分で息も絶え絶えな俺を見かねたのか、それからヨシュアはどうにか人の出入りの隙間を縫って開かない方のドア際を確保すると、座席との仕切りに俺の身体を押し付けて自分が壁になるように立ち位置を変えた。始めのうちはそれで助かった、と思ったのだけれど。
車内は満員状態なせいで、ドアに肘を突いているヨシュアの身体とは密着せざるをえず、カーブに差し掛かったり、ブレーキが踏まれるだけで後ろの人に押されたヨシュアがぎゅうとこちらに寄りかかってくる。
その度に耳元をくすぐるヨシュアの髪の毛を意識しなくてはならなくて、近くなる吐息にばくばくと鳴る心臓は静まることを知らない。ヨシュアの胸に顔を押し付けているような状態で身体のどこもかしこもがくっついているものだから、公共の場だというのにヨシュアに抱き締められているように感じてしまって、俺の身体に反応するなという方が無理な注文だった。
「ぅ……よ、しゅあ」
「やっぱり金曜日は気をつけないとダメだね。僕はタクシーでもよかったんだけど」
電車で三十分以上かかる距離を平然とタクシーの方がいいんじゃない? などとのたまうこいつを必死で言いくるめたのは俺だけれど、そんなことよりも呼吸するたびに吸い込んでしまうヨシュアの花のような匂いのほうが問題だ。無機質な印象の強いヨシュアの人間らしい匂いというのはよほど密着しないと感じることのできないもので、甘い毒のように徐々にこちらを侵食する香りに頭がくらくらする。
「ふ……ぅ、く」
だめなのに。まだ電車の中なのに。周りにたくさん、知らない人がいるのに。
「ネク君?」
「ん、ゃ……ぁ、ふ」
気づけば、そんな自分の意思とは関係なく、既に形を成し始めている下肢を揺らしてヨシュアの身体へと擦りつけてしまっていた。俺の異変に気づいたらしいヨシュアの声に、早くやめないとと思うのに身体は全く言うことを聞いてくれない。
「は、ぁふ……う、うぅ」
「ネク君……勃っちゃったの?」
「う、ゃ……ち、が」
「だってほら、当たってるし」
俺にだけ聞こえるように、くすくすと漏れる笑いと吐息だけで喋るヨシュアの声が耳元を撫でるたびに、電流のような何かが背筋をびりびりと走って、ひくん、ひくん、とどうしても身体が揺れてしまう。その上、ほら、と言ってヨシュアが自身の膝でくいくいと俺の股間を押してくるものだから、一際大きくびくん、と身体が跳ねてしまった。
「ん、んん……っ!」
「ほら、しー。声出したら、他のお客さんに聞こえちゃうよ?」
微笑みながら人差し指を立てるヨシュアに、思わず両手で口を塞いだものの、言葉とは裏腹にその優雅な手つきでの悪戯は止まらない。
「あは、ダメじゃない。こんなところまで硬くして」
「や、ぁ……さわ、ちゃっ……」
「まだこの季節だからいいけど、夏服だったらすぐばれちゃうでしょ」
「ん、んんぅ……は、ぁ……そこ、はぁ……はふ、はぅ……」
するすると上着とシャツの間に入り込んだヨシュアのゆびが、服の上からでも分かるくらい硬くなった胸の尖りをわざとらしくぐにぐにと玩ぶ。ツメの先で引っ掻いたり、ゆびの腹で押しつぶすようにされたりするとその度に甘い痺れが身体を支配して、服の上からのもどかしい感触が余計に焦燥感を煽った。その上ヨシュアは硬い膝で俺の下肢を押し上げるのもやめてくれないものだから、たまらない。
「や、ら……しゅ、あ、だめっ……も、だめ、だから……ぁ、あっ」
「だって、こんなところで勃たせちゃったのはネク君じゃない」
「も、もぉ、ほんと、に……ッ……!!」
その瞬間、がくん、と電車が大きく揺れて、寄りかかってくるヨシュアの膝が強く股間を押した途端、びくん、びくんと身体が大きく跳ねたのを、誰かに見られはしなかっただろうか。大きな声を上げてしまわなかったのは幸いだけれど、腰が震えるたびに広がる下着の中のぐっしょりした感触に、呆然とすることしかできない。
「あ……っあ……」
「あれ、もしかして出ちゃった?」
よいしょ、と体勢を立て直したヨシュアがどうしてそんなことを平然とした顔で言えるのかがわからなくて、どうすることもできずに震える声音で小さく謝った。
「ぅ……あ……ごめ、なさ……」
「ふふ……別に謝らなくてもいいんだけど。僕に、興奮してくれたんでしょ……?」
「ふ、ぇ……」
「ほら、もう着くよ」
ヨシュアのその言葉で、どうしていいのかわからないままドアの上の車内表示を見上げると、『渋谷』の二文字が見える。いつのまにか、俺の知らない間にこの電車はそんなに走っていたらしい。
「帰ったら、ちゃんとしてあげるから」
俺の耳元にくちびるを寄せてそうっと囁く声に、再び背筋に甘い何かがぞくりと走った。
「部屋に着くまで我慢してね」
下着の中は先ほど射精した精液でぐしょぐしょと湿っていて、少し身じろぎするだけでも貼りつく布の感触に眩暈すらするほど居心地が悪い。けれど、駅から部屋に帰るまでの距離を思うと、長い長い夜の散歩になりそうで気が遠くなった。それでもふんわりと微笑むヨシュアに手を引かれて歩く帰り道を思うと、甘い痺れがじわじわと下肢を支配していったのがどうしてかなんて、俺にはわからない。
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