※性描写を含みます。ご注意ください。 アパートの裏側の道に差し掛かった辺りで自室から漏れる明かりが見えたので、ヨシュアが来ているということはすぐに分かった。 はやる胸を抑えながら、いつもよりも気持ち早足で家路を急ぐ。今日はバイトで遅くなるから夕飯は作れないとメールしておいたけれど、ヨシュアはいつぐらいに来たんだろう。ほとんど通話にしか使っていないらしいヨシュアのケータイから返事がくることは滅多にないからわからないけれど、あまり待たせると早々に顔も見ないで帰ってしまうかもしれないと変な強迫観念に襲われて、自然と歩幅も大きくなった。 まあ、待っている間またいつものように掃除やら洗濯やらに精を出しているに違いないから、退屈はしないだろうけれど。俺の部屋が男の一人暮らしにしては小奇麗に片付いているのは、他ならぬヨシュアの存在あってこそだと思う。通い妻とも言えるようなその甲斐甲斐しさは嬉しいようなこそばゆいようなで、内心複雑なのだけれど。 変に音の響く階段を駆け上がって、部屋の前で一呼吸置いてからゆっくりドアを開けた。ヨシュアがいるから急いで走って帰ってきたなんて思われるのはなんとなく癪だからだ。事実ではあるのだけれど、何やら気恥ずかしいではないか。 ドキドキしながら玄関を上がったのだけれど、入ってすぐのキッチンにも、奥の部屋にもヨシュアの姿が見当たらない。はて、と思ってきょろきょろ自分の部屋ながらあちこち見回すと、脱衣所のほうの電気がついていたのでひょいと覗き込んでみた。すると見慣れた不思議な色の髪を揺らして、珍しくズボンの裾を捲り上げたヨシュアが手にしたタオルで細い足首を拭っている。 「あれ、おかえりネク君」 「ただいま……っておまえ、何してるんだよ」 「何って、おフロ掃除」 手早くズボンの裾を下ろしてから、顔を上げたヨシュアはきょとんとした表情で首をかしげた。同様に腕まくりしていた袖を直してから、タオルを洗濯籠に放り込む。 「ダメだよ、お湯取り替えるだけじゃなくてちゃんと浴槽も洗わないと。あ、ついでにお水張って、床とか鏡とかも磨いてみたけど」 「……俺の嫁か、おまえは」 「何?」 「なんでもない……さんきゅ」 「どういたしまして」 さらりと返しながらヨシュアは俺を置いて脱衣所を出ると、早々に奥の部屋へと引っ込んだ。と思ったら、手にしたエプロンを身に着けながらキッチンの方まで戻ってきた。ちなみにあのエプロンは俺のもので、エプロンも何もしないで家事に従事するヨシュアを見かねて俺と共用ということにしたものだ。 まだ何かするのか? 「それから、これ昨日食べたお皿でしょ。その日の汚れ物はその日に洗わないと、どんどんたまっちゃうよ」 「うっ」 ヨシュアの指し示す先、流し台を見てついたじろいでしまった。それを言われてしまうと立つ瀬がない。 何せ、昨日の夕飯どころか朝食、その前の夕食あたりまでの食器がそのままになっており、既に溜まり始めていたところだったからだ。料理自体は嫌いではないのだけれど、後片付けというものがなかなか俺には難しいのである。後片付けまでが料理、とはよく言うけれど、そこのところを言うと俺はまだまだ半人前と言わざるをえない。 「あ、後でちゃんと洗っとくから! そこまでしなくても……」 そのままスポンジを手にして流し台の前に立つヨシュアに、普段の洗濯に加え部屋から風呂から掃除してもらった上に、そんなことまでさせるのは悪いとさすがに止めようとした。けれど、スポンジに洗剤をつけて泡立て始めたヨシュアはまるで俺のことなど気にしない風で、楽しそうに皿を洗い出す。 「後でって言うときに限って、ネク君絶対やらないじゃない。今日は僕が洗っておくから、着替えておいで。いつまでも制服のままでいると汚しちゃうでしょ?」 「む……」 返された言葉はあまりにももっともすぎて反論すら出来ず、いつも洗濯物を干しているときのように鼻歌を歌いだしたヨシュアの背中を名残惜しく視界に残しながら、渋々と奥の部屋へと足を向けた。 本当のところを言うと、洗い物なんかよりも俺の相手をして欲しかったのだけれど。そんなことを口に出して言う勇気は残念ながらまだない。 「あ、そうそう」 「ん、何?」 思い出したようにかけられるヨシュアの言葉に一瞬期待して振り向いてしまったのだけれど、もちろん実際の内容には甘さの欠片も含まれてはいなかった。 「制服、ちゃんとハンガーにかけてね」 「……わかってるってば」 件の洗い物が終わるまで、と思い着替えてから部屋の片隅に置かれたソファに腰掛けたものの(ここだと引き戸を開けておけばキッチンに立つヨシュアの後姿が見える)、どうにも落ち着かない。 ヨシュアが動くたびに揺れる、腰の辺りでちょうちょ結びにされたエプロンの紐。腰の細さを強調するように結ばれたそれになんだかドキドキしてしまうのもあるし、青と白のストライプ模様のエプロンは自分のものだけれど、ヨシュアによく似合っていた。流れ聞こえてくる鼻歌はいつもどおりの優しい声音で、耳に心地良い。 「……」 無意識のうちにふらふらと立ち上がると、気づけば洗い物に精を出すヨシュアのすぐ後ろまで歩いてきていた。 何がしたいのかなんて自分でも分からなかったけれど、欲求のまま素直に手を伸ばして、ヨシュアの腰で揺れるエプロンの紐を引っ張る。 「わぁ、ちょっと、何?」 「あ……ごめん」 解けた紐はするするとヨシュアの肩を滑って行って、そのままエプロンごと床に落ちるまではあっという間だった。 「もー、びっくりするじゃない。どうしたの?」 「……」 ちらりとこちらには視線を投げただけで、そのまま屈んで自然にエプロンを拾おうとするヨシュアを邪魔するように、自分よりも背の低い細い身体に後ろからぎゅっと抱きつく。自然と少し低い位置にくるふんわりした髪の毛に鼻を埋めると、胸いっぱいにヨシュアの花のようないい匂いがして、ぎゅうっとお腹の辺りが苦しくなる。 「なあに?」 「……したい」 「え?」 少し腰を折るようにして今度はヨシュアの肩口に顔を押し付けてから、ちゃんと俺の意思が伝わるようにやけに色っぽいうなじにちゅ、と音を立ててくちびるを寄せた。 「した、い……って言った」 「ねくく」 「ヨシュアが、エプロンとかするから……ムラムラした」 それ以外に言いようがなくて、素直に口にしたのに腕の中のヨシュアには声を上げて笑われたのが解せない。 「ネク君、おじさんみたい」 「うるさい」 なおもぎゅうぎゅうと抱き締めてヨシュアにもたれるようにくっついていると、観念したのか、ヨシュアは困ったようなため息を一つ吐いてから、俺の腕を解いてゆっくりとこちらに振り返った。 「……仕方ない子」 くん、と強く身体を引っ張られて、それはヨシュアが俺の胸倉を掴んだからだとワンテンポ遅れて気づく。 「洗い物まだ残ってるから……ちょっとだけだよ?」 無邪気な瞳からくるりと色を一転させた鋭いスミレ色に射抜かれながら、そのまま噛みつくように口づけられる感触にドキドキと高鳴る胸を感じて、ぎゅっと目を瞑った。 どろ、とお腹の中が濡れて、入りきらなかったぬるぬるしたものが尻を伝って太腿に流れるのを感じる。 ヨシュアが気持ちよくなってくれた証であるそれを感じられる瞬間が俺は好きでたまらなくて、ぎゅっと白い首筋にしがみついたまま小さく震えた。 動くたびにぎしぎしと小さく鳴るソファはさすがにベッドほどスプリングがきいていなくて、衝撃が吸収されない分ダイレクトに俺の身体に負担をかけてくる。 「んっ……ぅく……」 はふ、と薄く息をついてから、少しずつ弛緩して行く身体にますます後孔から流れ出るものが増えて、なんとなくもったいない気持ちになるのだけれど、こればかりはどうしようもない。 俺もヨシュアもほぼ同時に達してからちょっとだけ一息ついたけれど、離れがたさにしつこくぎゅうぎゅうと抱きついていたら、ヨシュアの控えめな手のひらに押し返された。 「ほら、ネク君。抜くよ?」 「あ、なっ……や、やだ」 「ええ? やだって……こら、もー」 俺の胸を押し返したまま離れようとするヨシュアの首に回した腕で、ぎゅっとしがみつく。なおも腰を引いてずるずると俺の中から出て行こうとするので、最後の抵抗に恥ずかしながらヨシュアの腰に脚を絡めてその動きを阻んだ。 「やだ、ってば……! まだ、一回しかしてないっ」 「だからぁ、ちょっとだけって言ったでしょ」 呆れたようなため息と共に落とされた言葉に、思わずむっとする。いつもは俺が泣きじゃくって声も出なくなるまでするくせに、今日に限ってそんなのは酷いではないか。 けれどどんなに抵抗しても力でヨシュアに敵うわけもなく、その細い腕にあっさりと振り払われて、内部を満たしていたヨシュアの性器はずるずると抜けて行ってしまった。 「ん、んん……っ」 「まったく……いつからそんなに聞き分けのない子になったの?」 そのまま身を起こしてソファに座るヨシュアは、困ったように肩を竦めながら早々に身なりを整え始めている。 けれど、そうはさせるものかと悲鳴を上げる身体に叱咤しながら身を起こすと、俺が余韻で動けないだろうと油断していたヨシュアの一瞬の隙を突いて、細い身体を突き飛ばした。 「う、わ」 小さく声を上げながらソファに倒れこむヨシュアを押し倒すようにして、その身体にのしかかる。すると、なんとか上手いことマウントポジションを獲得することができた。起き上がった際にどろりとまた内部から漏れでる感触に背筋が震えたけれど、気づかないふりをする。 「ちょっ……ネク君」 「もう一回、する」 「何言って……あ、こらっ」 そのまままだ露出したままのヨシュアの性器を手にとって顔を寄せると、精液にまみれた独特の匂いに一瞬たじろいだものの、勇気を振り絞って口内に迎え入れた。 まだやわらかくなって間もないそれは残り熱が温かくて、慣れない味にえずいてしまわないように気をつけながら必死で舌を動かしていると、すぐに硬さを取り戻し始める。 「ん、ん……ね、くくんっ、だめ、だってば」 先端の割れ目に恐る恐る舌で触れてみたりだとか、思い切って喉の奥まで深く咥えこんでみたりするたびにヨシュアの言葉尻が跳ねて、普段余裕な態度を崩さないヨシュアが感じてくれているのかと思うと、はしたなく身体が熱を持った。最初は押し返すような動きで俺の頭に置かれていたヨシュアの手が、時折何かに耐えるようにくん、と前髪を掴む感触がたまらなくて、ぎゅう、とお腹の奥が疼き出す。 「ああもう……こんなの教えてないのに……どこでこんなこと覚えてくるの?」 やれやれ、と手の甲で額を押さえながらため息を漏らすヨシュアの言葉に、確かに俺がこんなことをするのは滅多にない(というかヨシュアがさせてくれない)から、いきなりと言えばいきなりだったかもしれない。俺が咄嗟にこんな風に行動に移せた心当たりと言われると、あれしか思い浮かばないのだけれど。 「ん、ぅ……ぷはっ……えと、このあいだ、友だちに見せられたDVD、とか……?」 「……未成年はそんなもの見ちゃいけません」 初めてそういうものを見せられた感想はいやらしい、というよりもちょっとグロいな、という感じだったのだけれど、男の人に奉仕をする女性の顔がやけに記憶に残っている。 本来なら奉仕されている男の人の方に感情移入すべきなのだろうけれど、女性の行動を見てそんなやり方もあるんだなーなどと考えながら見ていたらなかなか勉強になった。その矛先はもちろん、何の迷いもなくヨシュアに向かったわけだけれど。 「その、みせーねんに、こーゆーことしてる、クセに」 小さくぼやきながら、大きくなったヨシュアのものは段々と物理的に咥えきれなくなってきて、名残惜しいながらも一端口を離すと、今度は横から咥えるように舌を伸ばして少しずつ舐める。 は、と頭上から聞こえてくるヨシュアの色っぽい吐息をもっと聞きたくて、咥えるのに夢中になっていたヨシュアの性器からぬろ、と糸を引く唾液と先走りを振り払ってくちびるを離した。ヨシュアのものを咥えて舐めるのはなんだかとても興奮して、気持ちよくて、ちょっとクセになってしまいそうなのがやばいかもしれない。 「んん、ぅ……も、入れる、からっ」 ヨシュアの屹立を掴んで腰に跨りながら、ぺた、と後孔に先端を押し付ける。 「はぁ……もうお好きにどうぞ。あと一回だけだからね」 先ほどまで俺が咥えこんでいた性器はもうぴんぴんに勃起して凶悪なほどに大きくなっているというのに、全然乗り気じゃないというようなスタンスを崩さないヨシュアを不満に思いながら、絶対気持ちよくしてやると意気込んでゆっくり腰を落とした。 「う、あ……っあ、はぁ、あうぅ……!」 みち、と飲み込むものの太さに広がる粘膜の感触が生々しくて、背筋を駆け抜ける震えに耐えるようにぶるぶると頭を振る。はぁはぁと上がってしまう息を一生懸命深く吸い込みながら身体を沈めて、なんとか全部を体内に収めることができた。 「よしゅ、よしゅ、あ……ぅ、く、うぅ……んく、よしゅあぁ……!」 「入っちゃったね。まったく、こういうことばっかりどんどん上手になるんだから」 揶揄るようなヨシュアの声音に嬲られながら、満たされた内部に我慢できず、そのまま衝動に突き動かされるままに腰を浮かせる。一番太いところが奥まで通ってしまえば、あとは咥えたもので粘膜を掻き回すのなんて簡単だ。 ヨシュアのお腹に手をついて上手くバランスをとりながら、引いて、落として、を繰り返しているうちに、粘膜が擦れるたびにびりびりと走る快楽で段々と頭が回らなくなってきた。 「ん、んん……よ、ひゅ……ぅ、はふ……あふ、ぅ」 動くたびに俺の下で熱っぽく瞳を潤ませながら、気持ちよさそうに息を漏らすヨシュアを見ていたら、どうしてもいやらしく半開きになったくちびるにキスしたくてたまらなくなってしまって、身を屈めてなりふり構わずにくちびるをくっつけてみる。 前は身長差のせいでこの体勢だとキスすることが叶わなかったのだけれど、今はちゃんと上体を落とせばヨシュアのくちびるに届くようになった。 キスをしているのか、ただ舐めているだけなのか自分でもわからなかったけれど、こく、と喉を鳴らして俺の唾液を飲み込んでくれるヨシュアが愛しくて、離れがたくて、何度もしつこくやわらかいくちびるに吸いつく。 「ん、んくぅ……はぁ、はく、うぅ……んちゅ、んん……」 「ねぇ……くちびるって、一番温度を感じやすい場所なんだって。知ってた?」 「う、っ?」 ちろ、といやらしくはみ出させた舌で俺の上唇のふくらみを舐めて、いつもの寝る前の夜伽のときのような声音で囁くヨシュアの瞳を、首をかしげながらそろそろと見上げた。色気を垂れ流すその色に見惚れていると、白いまぶたが歪んで悪戯に微笑む。 「このクチで僕の咥えてみて、どうだった?」 「ん、ん……んんぅ、よ、ひゅ……あ」 「何か感じた……?」 いつのまにか頬を滑っていたヨシュアのゆびがくちびるに当てられて、無理矢理開かせるように口内へと滑らかな指先が入り込んだ。そうやって顎を固定されると、顔を動かすこともできなくなってしまって、見つめるスミレ色から逃げられなくなる。 「ふ、うゅ……ん、おっきくて……ぅ、あつ、くてぇ……は、ふ……あぅ」 「そ? じゃあ、今咥え込んでる、こっちは……?」 囁かれる言葉と同時にくぷ、とヨシュアの反対の手が限界まで広げられた後孔を遊ぶように撫でて、思わずびくんと身体が跳ねた。 「やぁ、あぅ、う……! さわ、ちゃ、あっ……あふ、っうぅ、らめ、え……!」 「ねぇ、どうなの?」 「んん、んくぅ……はぁ、あひっ……ふく、うやぁ……おっき、くて、かたく、てぇ……お、おれ、こわれっ……こわれちゃぁ……!」 じりじりと頭の中まで掻き回すように犯すヨシュアの声音に、ずぐずぐと簡単に身体の末端まで蕩けていってしまって、感じすぎてしまう内部が怖くて、先ほどのように強く動けなくなってしまった。ぺたりとヨシュアの腰の上に座り込んでその胸に顔を押し付ける俺のことを、ヨシュアは何もしないで楽しそうに眺めてる。 「よしゅ、あ……おねが……っうごい、てぇ……!」 「あれ、どうして? ネク君がするって言ったんでしょ」 「ぅ、く……ごめ、なさぁ……ねが、おねがい、よしゅあぁ……っこわ、こわい、からぁっ……!」 けれど、泣きながら何度懇願してもヨシュアは俺の望みを受け入れてはくれなくて、俺を無言で責め立てる内部に耐え切れず、咳き込みながら震える腕を突いてなんとか腰を揺らした。 それでも何度か極まりそうになっても、そのたびに強い快楽に怯えた身体が俺の意思に逆らうように動くのをやめてしまって、いつまで経っても終わりを迎えることができない。 延々と長引かされる快楽に泣きじゃくりながら、ヨシュアの気が変わるまで涙声で懇願を続けるしか俺には術がなかった。 行為のあとぐったりする俺をソファに寝かせて、傍にあったタオルケットを肩までかけると、ヨシュアは簡単に身なりを整えてから再びキッチンの方へと向かっていた。 身を起こすどころか指先一本動かすのすらだるくて、視線だけでぼんやりとヨシュアの後姿を追う。流し台の前まで来たヨシュアは、床に落とされたままになっていたエプロンを拾うと手馴れた動作で身に着けて、まるで何事もなかったかのように洗い物の続きを始めた。 俺なんて小さく声を上げるのすら億劫に思うほど身体が辛いのに、まるでいつもどおりなヨシュアのあの振る舞いはなんなのか。俺と大して変わらないくらい細っこいくせに。 けど、ざーと水の流れる水道の音が心地よくて、かちゃかちゃとヨシュアが食器を鳴らす音に安心して、疲れた身体も相俟って段々とうとうとしてきてしまった。ヨシュアが掛けてくれたタオルケットが暖かいのも悪い。 本当は少しの時間でもヨシュアと離れているのは勿体無くて、ヨシュアが洗い物を終えてこちらに戻ってきてくれるまでちゃんと起きていたいのだ。その後だって、きっと優しく包み込んでぎゅっと抱き締めてくれるであろう腕に顔を埋めたいし、何度も名前を呼んでくれる穏やかな声音に耳を傾けていたいし、そのくちびるを塞いでたくさんキスもしたい。 俺が寝入ってしまうと大抵ヨシュアはそのまま起こしてくれずに朝になったらいなくなってしまうのだけれど、今日はまだ身体を重ねたにも関わらずおフロに入っていないから、少しうたた寝してしまってもきっとヨシュアは起こしてくれるだろう。 だから、ヨシュアが俺の元に戻ってきてくれるまでの間、ちょっとだけ、と自分に言い聞かせてから、重くなるまぶたをその衝動のままにゆっくりと下ろした。 エプロンの紐をきゅっと結ぶヨシュアさんのえろさは異常。 20091228 →次へ |