※性描写を含みます。ご注意ください。




 今年もクリスマスは当たり前にネク君と二人で過ごすつもりだったけれど、まさかこんなプレゼントが用意されているとは予想していなかった。
「お、おまえが……見たいとかいうから……」
 可哀相なくらい真っ赤になってスカートの端をぎゅっと握るネク君が今着ているのは、まさに先日僕が冗談混じりでリクエストしたセーラー服だ。ご丁寧に、きちんと丈を詰めたミニスカートの。
 夏服らしい半袖のそれは(やはりセーラー服は半袖に限る)紺色の襟と赤いスカーフがネク君の白い肌を際立たせて見せて、僕の欲目を除いてもそれはそれはよく似合っていた。最近流行のオーバーニーではなく紺のハイソックスなのも、彼の細い脚を強調しているようで高ポイントである。
 などとつい男の性で瞬時に衣装レベルの分析などしてしまったけれど、日常の中に突然飛び込んできた予想外の出来事に、こつこつとローファーを鳴らして恥ずかしそうに僕の腰掛ける玉座まで歩み寄ってくるネク君を前にしてぽかんと呆けてしまった。
「……それ、どうしたんだい?」
 褒めるよりも喜ぶよりも先に、僕はその衣装の出どころはどこなのかというのが気になって仕方なくて、色気も何もないそんな疑問が思わず口をついて出てしまう。
「は、羽狛さんに……相談したら……譲ってくれて」
 なるほど、ネク君はたどたどしい受け答えながらも、何よりも簡潔明瞭な答えをくれた。羽狛さんなら都内全ての学校の女子制服を所持していても何ら不思議に思わない。制服の形状から靴下の長さまで、恐らくネク君にはよく分からないであろう細かな部分も、彼にぴったりのものを選んでいる辺り納得である。
「あ、う……どうせ、似合ってないのは、わかってる、から」
「え?」
「あんなの、ヨシュアの冗談だったんだろうけど、でも、せっかくプレゼントするなら喜んでもらいたくて……お、俺、このくらいしか思いつかなくて」
 近づいていいのか、いつもの距離で触れていいのかも分からないらしいネク君は、遠くはないけれど手を伸ばさないと触れられない程度の位置で歩みを止めて、おどおどと僕の反応を窺っている。
 ただ呆然とネク君の姿を見つめるばかりで、気の利いた反応も返せずにいる僕のせいでどうやら不安にさせてしまったようだ。
「そんなことない、すごく似合ってるよ」
「……別に、ムリしなくていい」
「ホントだってば。ほら、おいで?」
 ひらひらとスカートを揺らしながら躊躇しているネク君を安心させるように微笑むと、そっと手を差し出した。
 おずおずと差し出された手を握ってようやくネク君はいつものように僕の膝の上に収まってくれたけれど、短いスカートが気になるのかやはりそわそわと落ち着かない様子である。
「想像してたのなんかより、本物の方がずっと可愛い。まさかホントに着てくれると思わなかった」
「……悪かったな……冗談、本気にして」
「卑屈にならないの、ホントに似合ってるんだから。それに、僕はいつでも本気だよ?」
 思わずくすくすと漏れてしまう僕の笑いが不満だったのか、むくれたように目をそらすネク君にそっとくちびるを寄せると、不機嫌そうな表情はそのままながらキスには素直に応じてくれた。
「ん、く……うそ、つき」
「ウソじゃないってば」
 ちゅ、ちゅ、と何度もついばむように食んでいるうちに自然と薄くくちびるが開いて、誘うような仕草は分かってやっているのか無意識なのか判別しがたい。それでも据え膳を頂かない理由は僕には何もないので、ちらちらと隙間から覗かせている舌を捕まえると優しく絡ませた。
 するといつもならネク君の方からねだってくるくらいなのに、今日は自分の格好に引け目でも感じているのか、触れた途端にびくりと逃げ出そうとする。口内で縮こまる舌を再び捕まえると、ようやく彼の方からおずおずと吸いついてきた。
「は、ぁ……ふ、うゅ……」
 いやらしい吐息を漏らしながらとろりと瞳を潤ませるネク君に誘われるままに、腰を抱いた手を滑らせてひらひらと短いスカートへ指先を侵入させる。
 途端にぴくりと頭を揺らしてむずがるネク君に、少なからず期待していなかったと言えば嘘になるのだけれど。
「こういうときはやっぱり下着も女の子のやつじゃないの?」
「う、るさい、バカヨシュアっ」
 先ほどからちらちらとスカートの裾から見え隠れしていたのでなんとなくそうなのかなとは思っていたものの、捲ったスカートの下から現れたのはやはり色気の欠片も感じられないいつものネク君のトランクスだった。とはいえ、これもネク君の恥じらいの表れなのだと思えばそれだけで愛しく感じられる。
「ん……す、する、のか?」
 不安そうに瞳を揺らして僕を見つめながら、今更そんなことを言い出して何も知らない子どものように振舞ってみせても、僕の中の男心を刺激するだけなのだけれど。
「もちろん。ネク君だって、そのつもりでこんな格好してるんでしょ?」
 思わずからかう声音で笑いを漏らすと、かあっと頬を赤らめてそっぽを向くネク君の仕草はどんな言葉よりも雄弁だ。
「っ、そんな、こと……」
「ないなら、こんな風にならないよね」
 捲った手でするりと下着をずり下ろすと、圧迫する布地のなくなったネク君の屹立が待ってましたと言うようにぴくんと頭をもたげて立ち上がった。
 勃起する性器に押されて、スカートの裾がぺろりと捲れ上がるのはなかなかいい眺めである。
「やっ……こんな、ちが……っ」
 慌ててスカートの裾を押さえつけて隠そうとするネク君の手を片手でまとめて取り上げると、身じろぎに合わせて揺れる屹立を反対の手でつつ、となぞった。
「女の子の格好して興奮しちゃったんだ? いやらしい子」
「あ、ち、がぁ……見るなぁ……!」
「ふぅん、触るのはいいの?」
「や、ぁ……やだ、ぁ、ふ、あぁっ……」
 いやいやと首を振りながらも、指先でつつくたびにネク君の屹立の先端からは透明な先走りが後から後から途切れることなく漏れてくる。ひくん、ひくん、とネク君が快感で身をよじるたびに胸元で揺れる赤いスカーフが僕の目にはひどく扇情的に映った。
「ねえ、やっぱり女の子の格好してるんだから、おっぱいも見せて欲しいな」
「んくっ……うぅ、ふ、え……?」
「見せて? ほら、自分で捲って」
 とろんと呆けた表情のまま首をかしげるネク君の手をぱっと離すと、きょろきょろと忙しなく視線を彷徨わせた後、じっと助けを求めるように僕の顔を見つめてきた。けれどそんな目で見られても僕がしてあげられることは何もないので、ただ優しく微笑んでみせると、彼は諦めたように拙い手つきでのろのろとセーラー服の裾を持ち上げてみせる。
「こ、こう……か……?」
「もっと。それじゃおへそしか見えないよ」
「や、うっ……う、うぅ……」
 催促するようにわざとネク君の薄っぺらいお腹をなぞってへその窪みをくすぐってやると、びくん、と小さく身体を跳ねさせながらも、思い切ったように掴んだ裾を胸の上まで一息に持ち上げた。
「ふ、ぅ……こ、これで、いい、だろ……」
「ふふ、ネク君てばおっぱいまでぷくってしてる。やらしーんだ」
「だ、れのせいで……っひ、ぅ」
 はぁはぁともう息を荒くしているくせに、まだ憎まれ口を叩くネク君のぴんと立ち上がった乳首を軽く摘むと、途端に甘い声を上げてしおらしい表情で大人しくなった。
 薄く開いたくちびるから吐息を漏らしながら、無意識にか背筋を伸ばして胸を突き出す仕草で僕を誘う。
「は、ぅ…んん、よ、しゅあぁ……」
 その声と表情に誘われるように突き出された胸元に顔を寄せると、赤く膨れた先端を労わるようにぺろりと舐めてみる。
「や、なめ、ちゃ……だめ、ぇ」
「嬉しそうな声してるくせに、ウソツキ」
「うぅ、それ、やらっ……ぁふ、んく、んんぅ」
 普段よりも強い羞恥心を抱いているせいか、身体や仕草は素直なのに出てくる言葉だけは全く素直じゃない。
 まあこんな風に全身で僕を欲しがられてしまったら、それもただの可愛い照れ隠しなのだけれど。
 言葉だけの拒絶は気にせずにきゅ、きゅ、とゆびで摘んだ乳首を揉みながら反対側に軽く歯を立ててやると、耐えきれないかのように細い身体が何度も跳ねた。
「は、ふっ……かむな、てばぁっ」
 涙混じりの喘ぎ声を上げながら、ネク君は自分の手で捲った裾をぎゅっと握って離そうとしない。それどころかもどかしそうに腰を揺らして、僕の膝に肉の薄い尻を擦りつけてくる。
「ふ、ぇ……よしゅあ、あふ、さわるだけじゃ、やなの……!」
「へぇ? なら、どうしたらいいの?」
「んんぅ……も、よしゅ、の……ほし、っ……」
 あんなに頑なだった羞恥心も強く煽り立てる自身の欲望には負けたらしく、弱々しい声でのおねだりに思わず口元が緩んだ。
「うん、じゃあ僕の、大きくしてみて。ネク君のクチで」
「へ……あっ……う、うんっ」
 彼の方から言い出したときはともかく、普段なら僕の方からは口淫など滅多に催促しないのだけれど、せっかく彼がプレゼントと称してこんな格好までしてくれたのだから、とことん『そういうプレイ』を堪能してあげなくては失礼ではないか。
 珍しい僕からの申し出にネク君は少し驚いたようだったけれど、すぐにうなずくと嬉しそうにいそいそ膝から下りて、僕のスラックスに手をかける。
 ファスナーを下ろしてずらした下着からまだ勃起していない性器を取り出すと、くんくんと何度か匂いでも確かめるかのように鼻先を擦りつけてから、ゆっくりとその小さなクチいっぱいに頬張った。
「ん、くぅっ……ふ、はぅ……んむぅ」
「いいよ、あんまり無理しなくて。ネク君可愛くて、たぶん、すぐ勃っちゃう、から」
 そのくちびるには不似合いな肉棒をあまりに一生懸命迎え入れてくれるものだから、思わず心配になって額に貼りつく前髪を撫でながらそっと諭した。けれど、ネク君は一端くちびるを離してからふるふると首を振って、徐々に硬くなり始めた先端に再びしゃぶりつく。
「むり、なんてしてないっ……ん、んく……だ、だって、俺が、したい、から」
「え?」
「お、俺も……ヨシュアのこと、きもちよく……したい、からっ」
 予想だにしていなかった言葉に、どく、と自分の屹立がますます熱を持って明らかに硬くなったのがわかった。まったく、だからさっきすぐ勃起してしまうからと言っておいたのに。
 そうでなくても短いスカートの裾をそわそわと気にしながら、それでも一心に僕の性器に奉仕するネク君の姿にはたまらなくそそられるというのに。
「ふぅ……よしゅ、のおっき、い……すごい、かたくなって、ぅ……」
「ね、くくん」
「うく、んぅ……は、はぁっ……! よしゅ、ごめ、なさ……お、おれ、もう、ほし……これ、ほしい、のっ……!」
 僕の屹立に舌を這わせながら傍目に見てもあからさまなくらいずっと腰を揺らしていたネク君は、もう我慢できなくなってしまった様子で潤んだ瞳をこちらに向けてくる。
 正直そんな風にされると、僕の方が我慢などきかなくなってしまいそうで困った。
「うん、ならすぐあげるから……ちょっとこれ貸してくれる?」
「ふ、え?」
 言いながら、首をかしげるネク君の胸元に手を伸ばすと、襟の下で綺麗に結ばれている赤いスカーフをしゅるりと解いて引き抜いた。そのまま半袖から伸びる細い腕を掴んで立ち上がらせるように引っ張ってから、ネク君と入れ替わりに玉座から立ち上がる。
「な、に?」
「せっかくだからね」
 困惑するネク君に微笑みかけながら、玉座の座板へうつぶせにその身体を押さえつけると、先ほど借りたスカーフで彼の両手をまとめて後ろ手に括りつけた。
「やっぱりセーラー服って言ったら、こんな感じのシチュエーションかなって」
「あっ、やだ、ぁ、ヨシュアっ……こ、んな……!」
「ほら、入れるよ?」
 ネク君の背中に覆いかぶさるように玉座の肘掛に手を置いてから、座板に膝を突いて腰だけを高く突き出す形になったネク君のスカートの裾から覗く尻へ、ぺたりと勃起した先端を擦りつける。
「や、まって、やぁ、あっ……あは、ぁ……!」
 ぶるぶると首を振って逃げようとしても、両手の自由を奪われているネク君のそんな抵抗を押さえ込むのは簡単なことで、そのまま宛がった後孔へと強張りを押し込んだ。
 びく、びく、と身体を強く痙攣させながらも、奉仕する間僕のものをずっと欲しがっていたネク君の粘膜は、一度取り込んだそれを咥えこんで離そうとしない。絡みつく粘膜の感触に思わず眉を寄せると、無意識のうちに自分の口からうめくような息が漏れたのがわかる。
「ん……あは、そんなに締めないでよ」
「あ、あぁ……! は、あふ、ぅ……や、だ……やら、ぁ……!」
「いや? そんなだらしない顔してるくせに。すごく気持ちよさそうだよ……?」
 慣れない体勢と動かせない両腕への戸惑いが強いのか、ぐずぐずと涙で頬を濡らしながら口端からよだれを垂らすネク君の様子は、残念なことに僕には快楽でよがっているようにしか見えない。
「やだ、ぁ……ふ、ちがっ……もちく、なんかぁ……」
「本当に? でもほら、こんな風に縛られてさ、こうされるのとか……好きだよね?」
 ぶるぶると震える腰を掴んでことさらゆっくりと、ネク君の一番好きな場所を突き上げる。そうするとネク君はまた口端から唾液を零して、はしたない声を上げた。
「やあぁ……! らめ、ぇ、なの……う、ぁ、そこ、やめ、れぇっ」
「そう? でもやめちゃったらネク君だって困るんじゃない? ほら、こんなによだれ垂らして……もう出ちゃいそうなんでしょ」
「あ、う、さわ、ゃ……っだめ、でちゃ、おれ、でちゃう、からぁ……!」
 ぷるぷると頭を揺らして肩を震えさせるネク君の弱々しい背中は、どうしたって僕の中の嗜虐心を煽るだけだ。
「いいよ、ほら。出して?」
「ひ、ぃ……っやあ、あっあっ」
 射精を促すようにぱんぱんに張り詰めて細い脚の間で揺れる屹立を扱きながら強く突き上げると、言葉通りにネク君は呆気なく吐精した。手のひらをねばねばと汚す感触に、思わず目を細める。
「ふ、あ……う……う、うー……っ」
「ふふ、出ちゃったね。可愛い制服着て、縛られて、無理矢理みたいにされて……気持ちよかったんだ?」
「う、く……ふう、ううぅ……ふえ、ぇ……が、ちが、ぁ……」
 強い快感でびくびくと痙攣する身体が治まらないらしいネク君は、何度も何度も首を振りながら、ついには嗚咽を漏らして本格的に泣き出してしまった。せっかくなのでよくある『放課後制服レイプ』みたいな感じにしてみたのだけれど、少々苛めすぎたらしい。
「こ、な……や、なの……ふ、ぅく……うっ、ふえぇ……と、ってぇ……」
「うん?」
「これ、これとってぇ、うく、うぅ……ぎゅ、って、して……ほしぃ、の……ふぅ、こわ、こわい、よぅ」
「うん」
 しゃくり上げながら幼子のようにねだられて、これは僕が悪いなと思ったので、素直にネク君の両手を拘束していたスカーフを解いた。
 それからそうっと屹立を引き抜いてネク君の身体を仰向かせると、痺れて上手く動かないのであろう腕を健気に伸ばして僕の首にぎゅっと抱きついてくる。
「よ、しゅあ……よしゅあぁ……っえく、うぅ、えぐぅ……」
「ごめんね、ネク君可愛くてついやりすぎちゃった」
「んく、んぅ……ふ、しゅあ……」
 先の要望通りにネク君の背中に腕を回してぽんぽん、とあやしながら、まるい頬を濡らす涙の筋にそってくちびるを這わせた。ちゅ、ちゅ、と何度も口づけているうちに、震えていたネク君の身体も少し落ち着いたらしい。
「ん……よしゅあ、も……こーふんして、くれた、のか……?」
 夜色の瞳を揺らして見上げてくる仕草がひどく子どもっぽくて愛らしかったので、そのまぶたにもそっとくちびるを落とした。
「うん、だって本当にすごく似合ってて……今の格好も、鏡で見せてあげたいくらい」
「へ……? んん、そ、っか……」
 きょとんと首をかしげた後になぜだか嬉しそうに笑ったネク君は、顔を赤らめながらおずおずと僕の腰に脚を絡めてくる。
「よ、しゅあ……あの……もう一回……」
「うん?」
「ヨシュア、まだいってない、から」
 ネク君の方から腰を突き出すようにして張り詰めた先端にぺたっと後孔を押しつけられると、まだ勃起したままの性器を乱暴にねじ込みたい衝動に駆られるけれど、先ほどひどく泣かせてしまったためにさすがに躊躇いの方が大きい。
「いいの?」
「だ、って……一緒にいきたい、から」
 ついさっきまで散々に自分を泣かせた男を、ネク君はどうしてこうもたやすく許してしまえるのか。それはもうずっと前から僕の頭にある疑問符ではあるけれど、まあいただける据え膳はもちろんいただく主義だ。
「そっか」
「う、ん……」
 なので、恥ずかしそうにうなずきながら僕の胸元に額を押しつけるネク君の身体をぎゅっと抱き締めてから、とろりと緩んでひくつく後孔にゆっくりと自身の昂ぶりを押し込んだ。


「そうだ、僕からのプレゼント」
「えっ」
 僕の膝に座り込んでごろごろと身体を預けるネク君を抱き締めながら、忘れないうちにと声をかけた。すると驚いたようにぴんと背筋を伸ばして、落ち着かないようにそわそわと頭を揺らす仕草に思わず笑いが漏れる。
「ふふ……すぐ着けられるようにと思って、箱は取っちゃったんだけど。はい」
 ごそごそとポケットを探って見つけたそれを差し出すと、ネク君の澄んだ青の目がウサギのように丸く見開かれた。
「時計?」
「うん。ネク君も男の子だから、そろそろちょっといい時計の一つくらい持っててもいいかな、って思って」
 ちょっといい、という単語と、差し出された時計の持つ見慣れない雰囲気を感じ取ったのか、ネク君の表情が困惑したものに変わる。
「なんか……高、そう」
「うん。ちょっとだけ、いいやつだから」
 さらりと述べると、ますます戸惑って受け取っていいのかすら決めかねているらしい表情が可愛くて、やっぱりまだまだ若いなーとつい年寄りめいたことを考えてしまう。
「前あげたやつみたいに、いつも身につけてもらえるものがいいなって思って、選んだんだけど」
 前のクリスマスにプレゼントしたフープピアスは、今もしっかりネク君の耳にはまっている。几帳面なネク君の性格らしく、一年の間大事に使ってくれたのが分かるから、それだけでプレゼントのしがいがあったというものだ。
「あ、あり、がと」
「うん。じゃあ手、出して」
 僕の言葉で躊躇いがちに差し出されたネク君の手首に、少し重みのあるそれを巻きつけてからぱちんと金具を留めた。今更ネク君の身体のサイズを見誤ったりはしないけれど、きちんとぴったりはまったらしいことに少なからずほっとする。
 いつでも僕の存在を感じていて欲しいという勝手な独占欲から(もちろんネク君には内緒だけれど)重めの時計にしたのだが、それでも華奢なネク君の手に似合うものを選んだつもりだ。その思惑もなんとか功を奏したのか、頭に思い描いていた通りネク君の手に巻かれた今こそがその時計の本来の姿のような気さえしてくる。
「よかった。想像してた通り、似合ってる」
「そ、そう……か」
 はにかんだ様子で微かに頬を赤らめながらまぶたを伏せて視線を落とす仕草は、いつものネク君が照れているときの仕草だ。うつむいたおかげでよく見えるようになったつむじを、思わず撫でずにはいられない。
「でも、俺……」
「なあに」
「もっと、ちゃんとした格好してるときに、受け取りたかった……」
 おフロにも入らず玉座に座ったままべたべたくっついていたものだから、ネク君の身につけているものも先の可愛らしいセーラー服のままだ。
 どうやら僕の『ネク君も男の子だから』という前置きが引っかかったらしい。
「絶対、わざとだろ」
 ふてくされたように呟かれた言葉に、慌てて首を振る。
「まさか。だって僕、ネク君が今日こんなプレゼントくれるなんて知らなかったし」
 ひどい言いがかりだと思わずくちびるを尖らせたけれど、胡乱げにこちらを見つめるネク君の表情を見ると、どうやら僕はよっぽど信用されていないらしい。
 そんなネク君の動向を見通すくらい、僕ならお手の物だろうとでも思っているのかもしれないけれど。
「どうだか……」
 ぷい、と顔をそむけるネク君はやっぱり年相応の子どもの表情で可愛かったので。
 まあ、真相は神のみぞ知る……かな?



前回の流れを生かしてセーラー服プレイでした。 20110113

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