※性描写を含みます。ご注意ください。 あれからゆるゆるとした快感を与えられ続けて、もう何度達してしまったのか分からない。 達する度に想像を絶する快感が全身を駆け抜けて、何度も気を失いそうになったのだけれど、その都度ヨシュアの手で意識を戻されてはそれも敵わなかった。 「ぅ、く……はぅ、よしゅ……あ」 射精するごとに、何とか尿道に入り込んだ蝋の欠片はほとんど吐き出すことが出来たらしい。徐々に快感が弱まっていくのが分かってほっとした。 それでも一つだけ、引っかかってしまったらしい欠片が取れずに、先ほどから尿道を苛んでいる。じくじくと痛む先端に、あと少しだと分かるのだけれど。 もう目に見えて吐き出す精液が薄くなっているのが分かるから、あと何回射精することができるかわからずに、怖くてヨシュアの腕にしがみついた。しがみついたつもりなのだけれど、ろくに力の入らない手では添えただけと言った方が正しいかもしれない。 「ふ……よしゅ、いた、ぃ……」 「まだ取れない?」 「んー……んん……」 こくこくと頷くと、ヨシュアは俺を揺さぶるのを止めて、優しい手つきで屹立に指を絡める。何度も吐き出した精液にまみれるそこを弄られると、その度にくちゅくちゅと耳を塞いでしまいたくなる音がした。 「もう一回出せるかな?」 分からない、と首を振る俺の頭を、ヨシュアの手のひらが優しく撫でてくれる。そのまま屹立に絡んだ指が、射精を促すように強く扱き始めた。 何度も出したせいで、少しずつ射精がし辛くなっているらしい。それでもヨシュアに触れられる度に締め付ける内部の快感を何とか拾って、逃がさないように腰を揺らした。 「あ、ぅ……やだぁ、あ、でちゃ……でるぅ……っ」 さっきはあんなに達するのが怖かったのに、今は込み上げてきた射精感に安心しているなんて変な話だと思う。 「うん。出そうなら、全部出して」 「よしゅ……うゃ、やあぁっ……!」 射精した瞬間に、ふとヨシュアの言葉を思い出した。最後まで搾り出す、と言った彼の言葉はまさしくその通りで、文字通り無理矢理搾り出すような感覚に、これ以上苦しい射精はないだろうと思う。もう無理だ。これ以上なんて絶対出ない。 「は、は、ぅく……はぁ……」 ぐったりとヨシュアの胸に凭れて荒く息を吐き出しながら、くた、と勢いをなくしてしまった性器に恐る恐る触ってみた。 「どう?」 弄られすぎたせいで先端がびりびりするけれど、さっきまでの内側からじりじりと苛むような痛みは消えている。 「ぃ、たく、ない……」 「ああ、よかった」 がんばったね、と優しく背中を撫でるヨシュアの手のひらに、安堵のあまりぼろぼろと零れてくる涙が止まらなくなってしまった。 ようやく際限のない責め苦から解放されて、ぐずぐずと嗚咽を漏らす俺にヨシュアがそっとキスをくれる。 涙が零れるたびに降りてくる口づけに何度も慰められながら、ようやく強張っていた身体の力を抜くことが出来て、少しだけ落ち着いた。 「こっちも抜いちゃおうね」 俺が落ち着くのを待っていたらしいヨシュアに腰を掴まれて、膝を立たせるように持ち上げられるとずるずるとヨシュアのものが抜けて行く。随分長いこと繋がったままでいたから、中にヨシュアがいなくなって何だか物凄く変な感じだ。 「ん……んっ」 閉じ切らない後孔から、どろり、とヨシュアの精液が流れ出て、その感触に思わず背筋が震える。 とろとろと途切れることなく、後から後から零れる白濁が太腿を伝って、その度に無理矢理立てた膝が笑いそうになった。 「ふ、ゃ……とまん、なぃ……よぅ」 自分の極まってしまった回数ですら把握できていないのに、ヨシュアが何度達したのかなんて分かるわけがない。 それでも、ヨシュアがこんなに出してくれたのは久しぶりじゃないだろうか。 「ごめんね、いっぱい出して」 「ん、く……そんな、の」 なんでヨシュアが謝るのか分からない。だって、これは。 「ぅ……きもち、よかった?」 どうしてもヨシュアの口から聞きたくて、おずおずとスミレ色の瞳を見上げた。驚いたようにまあるくなる瞳に、ドキドキと胸が高鳴る。 「うん。あんまり可愛いから、持ってかれちゃうかと思った」 すぐに柔らかく微笑んでくれるスミレ色は、やっぱりずるいと思う。俺が苦しい思いをしなければいけなくなったそもそもの原因はヨシュアなのに、そんな風に言われると何も言えないではないか。 「そろそろおフロ入ろっか」 そう言って俺を抱いたままヨシュアが立ち上がると、ぽた、ぽた、と冷たい床に白濁が滴る。 お腹の中に溜まった精液が流れてしまう度に、ヨシュアの気持ちよくなってくれた証がなくなってしまうようで残念だ。けれど、それよりも目の前のヨシュアが愛しくて、上がらない腕でがんばって抱きついた。 「ゃ、あ……よしゅ……いや……」 「ほら、暴れると溺れちゃうよ」 ぱしゃ、と勝手に動いた足が水面を蹴るたびに、小さく水柱が上がる。 ずるずると湯船に沈んでしまいそうな俺の身体を、よいしょ、とヨシュアが抱えなおした。 ヨシュアに連れられてUGで暮らすようになってからは、身の回りの世話はほとんどヨシュアがしてくれている。中でも俺をフロに入れて隅から隅まで自分の手で洗うのが、ヨシュアはお気に入りらしい。 入浴と言っても、RGにいたころのように普通の身体ではないから、性行為などで身体を汚したとき以外は必要ないのだけれど。 最中に散々弄られて敏感になった身体では、泡立ったスポンジで撫でられるだけでむずむずと変な気分になってしまう。それをヨシュアにされているのだから、尚更だ。胸や性器などもヨシュアは衒いなく触れてきて、洗われている間ひくひくと身体が反応してしまうのが物凄く恥ずかしかった。 シャワーで泡を洗い流しながら、俺のお腹の中に溜まった精液を掻き出すのも忘れないから、ヨシュアのゆびが変なところに触れてしまわないかと気が気じゃない。 それでもなんとか我慢して湯船につかると、ヨシュアは鼻歌まじりで自分の身体を洗い始める。 始めのころはヨシュアの裸を見るのはなんだか物凄く悪いことのようで、恥ずかしくて直視などできなかった。けれど毎日過ごしているうちに段々慣れてきたし、ヨシュアの身体はどこもキレイだから、最近はこうして湯船につかってヨシュアの様子をぼうっと眺めるのがちょっとした楽しみになっている。 子ども姿のヨシュアは再会以来ずっと見ていないけれど、今のヨシュアはあの時のようにただ華奢なだけではなくて、細身ながら薄く筋肉のついた体躯は見ていて惚れ惚れするくらいだ。 だから、身体を流し終えたヨシュアが俺を抱っこするように浴槽に入ってきても、どきどきしてしまってその腕から逃げるなんてとてもできなかった。 「ちゃんとキレイになった?」 そう言って、ヨシュアは先ほど精液を掻き出しただけでは飽き足らず、湯船の中で俺の身体にその長いゆびを押し込んだ。 くちゅ、くちゅ、と浴室内に響く音がただの水音なのか、自分の体内からしているのか、恥ずかしくて考えたくもない。 後ろから抱き締めるような格好でヨシュアのゆびに後孔を探られて、どこにも逃げ場のない快楽がぐるぐると身体の中を暴れ回る。ヨシュアが内部を掻き回すたびにじわりとナカにお湯が入り込んで、例えようのない感覚に何度も身体が跳ねた。 「ぅー……やだ、っやぁ……」 押し広げるようにゆびを動かされると奥までお湯が入り込んで、再び緩めると粘膜に押し出されるようにお湯が出て行く。何かが漏れ出すような泣きたくなる感触に、ふるふると首を振ってもヨシュアは聞き入れてくれなくて、その動作を何度も繰り返した。 「ちゃんと全部出たみたいだね」 しばらく何も言わずに内部を探っていたヨシュアの満足そうな声に、これでおしまいだろうかとほっとしたような、残念なような気分になる。けれどそんなのはつかの間で、浅い所を撫でていたゆびがずるりと奥まで突き入れられた。 「っ……!」 そうすると、ヨシュアの指先が掠めるだけで泣きそうになる箇所に触れて、びくん、と身体が跳ねる。暴れたせいで、またぱしゃりと浴槽からお湯が零れた。 「あれ、また勃ってる」 「ふ、ぅあ……や、ら……」 「さっきもここ、あんなに突いてあげたのに。まだ足りないの?」 からかうような笑いと共にそこをぐ、ぐ、と押し上げられて、びく、びく、と全身が震える。言葉通り、俺の性器は既に勃起していたけれど、何度も射精を繰り返したせいでもう先走りすら出せないと思う。 「ここ、僕のでぐりぐり擦られるのが好きなんだよね?」 「や、だ……! よしゅ、そこ、や……っ」 「ふふ。ここ、こうしたまま動かないでいると、いつも泣いておねだりしてくれて可愛いんだよ」 そのまま、ぐにゅう、とそこを押したままでゆびの動きを止められて、焦燥感に呼吸もままならなくなった。 「やあ、ぁ……っよしゅ、よしゅあ……」 逃げようとしても、片腕でぎゅっと抱き締められて、それだけで俺は動けなくなってしまう。 「ふ……ぇ、う……も、さわっちゃ……」 「なあに?」 「お、おれ……ヘン、に、なっちゃぅ……ぉかしく、なっちゃ」 本当にもう気がふれてしまいそうで、怖くて、頭の中まで焼き切れてしまいそうな快感を止めて欲しかった。なのに、ヨシュアは楽しげな笑い声を漏らしながら抱き締めた手でするすると俺の胸を撫で上げる。 「そうだね。ここも触られるの好きだもんね」 そのまま、滑らかな指先がゆっくりと心臓の位置にある傷跡を撫でた。 「ひっ」 つ、と触れるか触れないかの加減で撫でられただけで、内部の粘膜がぎゅうとナカのゆびを締め付けるように痙攣する。 「よしゅ、らめ……! そこはだめぇ!」 ヨシュアが俺の身体に残した傷は、一緒に過ごす間に何度も嬲られて、そこに触れられるだけで射精できるように教え込まれた。けれど、今は俺の性器から出せるものは何もないのだ。 「どうして? ここ、一番好きでしょ?」 「やだぁぁ……っおねが、ゆるし……ゆるしてぇ……!」 半狂乱になって懇願したけれど、動くたびに突き入れられたゆびがナカで擦れて、抵抗すらままならない。 懇願も空しく、かり、とヨシュアの爪が赤くなった傷跡を引っ掻いた。 がくん、と身体が揺れて、一瞬意識がどこかに飛んでしまったように思う。白く焼けた視界が徐々に戻ってきて、びくん、びくん、と痙攣する身体が自分のものなんだとようやく理解した。恐る恐る自分の脚の間に目をやっても、やっぱり射精はしていない。 気絶しなかったのが不思議なほどの快感はじくじくと身体に残り続けていて、全身を苛みながらまとわりついて離れなかった。 「ああ、出ないのにいっちゃったんだ?」 「ひ、ぅ……えぅぅ……」 ヨシュアのくすくすと笑う吐息が首筋を撫でるだけで、ひく、と肩が跳ねる。 「へぇ。こんなのでも気持ちいいの?」 ふふ、とまたヨシュアは笑って、今度は耳に息を吹きかける。それだけでまたびりびりと微弱な快感が背筋を駆け抜けて、立て続けに達してしまった。 精液を吐き出して達したときに快楽を感じるのは射精している間だけなのに、今は吐き出せなかった快感がぐるぐると身体の中を暴れ回っているようだ。じくじくと全身を苛む感覚に身をよじると、突き入れられたままのヨシュアのゆびが粘膜を擦って、逃げ場のない快楽に情けなく嗚咽が漏れる。 「このままゆび、抜いたらどうなるんだろうね?」 それでも楽しそうなヨシュアの声に逆らう術など俺は持っていなくて、あまりの切なさにもう泣き声を上げることすらできなかった。 大きくてふかふかのヨシュアのベットに二人で寝そべって毛布に包まると、優しく抱き締めてくれるヨシュアの腕が好きだ。 浴室で散々俺に意地悪をしたゆびも、こんなときは柔らかく俺の頬を撫でるだけなのだからずるいと思う。 頬を撫でて、耳元をくすぐって、額にかかる髪を掻き上げてくれるゆびの感触だけで胸がいっぱいになる。泣きそうに、なる。俺がそんな顔をしたことに首をかしげて、泣きすぎて腫れてしまった目尻にキスをくれたヨシュアのくちびるの柔らかさなんて、勿体無くて言葉にできない。 さらさらとシーツに広がるヨシュアの髪は月の光を全部固めたみたいにキレイで、お風呂上りのヨシュアの髪を乾かして櫛を通していいのは俺だけだ。俺をタオルに包んで、丁寧に服を着せてくれるのもヨシュアだけだけど。 意地悪なヨシュアも、優しいヨシュアも、俺はどうしようもなく好きだなと思ってしまって、離れることなど考えられない。そんな俺を逃がさないように、ぎゅっと捕まえていてくれるヨシュアはやっぱり世界で一番優しいと思うのだ。 「ネク君、おやすみのキスは?」 「ん……ん、と」 毎夜の寝る前の儀式の言葉に、どきどきと心臓がうるさくなる。 柔らかな声音で囁きながら顔を寄せられて、誘うように開かれたくちびるに伸び上がって口づけた。 「ん、んぅ、ふ……んく……」 ヨシュアの半開きのくちびるに舌をもぐりこませて、何度もねだるように粘膜を擦りつける。 くちゅ、とはしたなく鳴る音と共に口の端から飲みきれない唾液がこぼれると、ようやくヨシュアの舌が応えるように動いてくれた。 それから、ヨシュアの気が済むまで触れ合って、くちびるが離れるまで、がおやすみのキスだ。 「は、ふ……く、はぅ……」 最後に注がれたヨシュアの唾液を飲み込んでから、ちゅ、と軽く食むようにしてくちびるが離れた。 「お、おやすみ、なさい」 「おやすみ」 は、は、と上がってしまった呼吸を整えながら、ヨシュアの胸元に顔を埋める。 切なく疼く身体を堪えるように、ヨシュアの匂いを胸いっぱいに吸い込んでから額を擦り付けた。 今日はさすがにくたくたになってしまったから、早く寝付かないと明日は寝坊してしまうかもしれない。 そうしたら、またヨシュアは甘やかなお仕置きをくれるのだろうかと想像して、胸が高鳴る。 ヨシュアの腕に抱かれながら、どきどきと大きくなる鼓動はなかなか収まってはくれなくて、すぐには寝付けそうになかった。 ヨシュアさんちのおフロは猫脚バスタブ希望。 ただれたヨシュネクさんもいいんじゃないかなって思います。 20090127 →もどる |