※性描写を含みます。ご注意ください。
 高樹さんの作品『FEEL IT』から、わたしが勝手に妄想しただけですのであしからず。




「ん……んん……っ」
 わずかに身じろぎするだけでもぐちゅ、と水音を立てる自分の身体に目眩がする。
 ソファに腰かけたヨシュアにまたがり、その屹立をくわえこみながら、揺れてしまう腰が止められない。
 いつも通りと言えば、のたうちまわりたくなるほど恥ずかしながら、そうかもしれないけれど、何かがおかしい。
「ふふ、ネク君のナカ、いつもより熱いね?」
 なぶるヨシュアの声に震えながら、その言葉を否定できない。
 くわえ込んだヨシュアのものを引きしぼるように、ぎゅうと内部が収縮する。
 これでは、まるで。
「……物足りない?」
 囁かれた声に、びく、と肩が跳ねた。
「ホントは触って欲しいんだもんね?ここ……」
 す、と伸ばされたゆびが、じくじくと熱を持つ左の外耳をたどる。
「や、いや……!」
 反射的に身体が逃げそうになった。逃げ場など、ないのだけれど。
「大丈夫、触らないよ。ばい菌が入ったら大変だもの」
 言葉通りゆびは耳たぶには触れず、やわらかい骨のある耳の裏を撫でるだけなのに、がくがくと身体が震える。
「でも、本当は触って欲しくてたまらないんだよね?」
「っ……」
 そろりと恐る恐る見下ろすと、全てを見透かすような青灰色と目が合った。
 分かってるよ、とその色は笑う。
「回りじゃなくて、ここの、傷口に」
 浅ましい身体を嘲笑う残酷な言葉に、ぎゅ、とくちびるを噛み締めた。
「や……」
 寄せられたヨシュアのくちびるから漏れる息が耳にかかる。
「いじくって、舐め回して、血が出るくらい噛み潰して欲しいんでしょ?」
「やだ、やぁぁ……っ」
 否定する言葉とは裏腹に、ヨシュアの舌が外耳を濡らす感触だけで、はぁはぁと呼吸が荒くなった。
「でも、それはできないんだ。ネク君のかわいい耳が膿んでぐちゃぐちゃになっちゃうのは僕も嫌だから……」
「ふ、ぅく……は、はぁ……ぅ、や、いやっ……」
「一番して欲しいことがしてもらえないなんて、可哀想」
 哀れむヨシュアの声は優しくて、その声音に鼓膜をなぶられながら、強く突き上げられる。
「ひっ……ぅ、あぁっ……!」
 呆気なく放たれた白濁が、俺とヨシュアの腹を汚した。
 ぎゅっと内部がヨシュアを締め付けて、でも中の屹立は硬いままだ。
 形すら分かりそうなほどに食い締めてしまって、達したばかりの敏感な身体には余りに無体な刺激にびく、びく、と全身が痙攣する。
 ずきん、ずきんと痛みをうったえる左の耳がますます熱くなって、吐き出したばかりの屹立がまたゆるゆると立ち上がるのが信じられなかった。
 それは前を放って置かれたまま達したときの感覚に酷似していて、確かに達したはずなのに身体の熱が収まらない。
「ふ、うぅ……ヨシュ、ア……よしゅあぁ……!」
「うん……いい子だから、泣かないで。ネク君が辛いと、僕も辛いよ」
 ぽんぽん、と背中を宥める手に余計に泣きたくなって、目の前の身体にすがりつく。
 静まらない甘い疼きを持て余す身体で再び求める俺を、ヨシュアは何度も慰めてくれた。

 それからピアスホールが安定するまでしばらく、耳の痛みと身体の疼きを持て余す日々が続いた。
 あのとき俺の身体に穴を開けたのがヨシュアの手でなければ、こんな風にはならなかったと思う。
 それはまぎれもなく、(他意はなかったとはいえ)他人に心動かされた自分への、ヨシュアからの甘い仕置きだったのだと気付くのはもう少し後のことだ。


ホールが安定するまで月単位でかかるらしいので、その間ずっと悶々としてたらいいです。エロすぎる。
高樹さんありがとうございました!

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