※性描写を含みます。ご注意ください。




 ヨシュアの丸いつむじが俺の脚の間でゆるゆると動くたびに、強くくちびるを噛んだ。まだ肝心なところにはどこにも触られていないのに感じてるだなんて、思われたくなかったから。
 それでも、声は辛うじて噛み潰すことはできても、漏れる吐息が荒くなってしまうのはどうすることもできなかったから、そんな抵抗するだけ無駄なのかもしれないけれど。
「ん……んっ……」
 ヨシュアは太腿に寄せたくちびるをするすると滑らせながら、俺が少しでも身体を跳ねさせて反応しようものなら、何度もしつこくその場所に吸い付いて責めたててくる。
 舐めたり吸われたりするくらいならまだ我慢できても、ヨシュアの尖った歯で繰り返し跡が付いてしまうんじゃないかと言うくらいに甘噛みされると、どうしても小さく声が漏れてしまう。散々嬲られて、まるで嗚咽が止まらなくなってしまったときのように俺が喉をひくつかせる頃合になると、ヨシュアはようやく飽きたようにまた別の場所へとくちびるを滑らせた。
 それでもヨシュアが嬲るのはぶるぶると震える太腿の内側ばかりで、それが付け根の方か少し下か、右脚か左脚かという程度に移動するだけだから、とても安息は得られないのだけれど。
「声、がまんしなくていいのに。顔も真っ赤で苦しそう」
「う……っるさ、い……!」
 身に着けたハーフパンツは未だ脱がされずに、けれど日に当たらない太腿の付け根までみっともなく捲り上げられてしまっていて、既に下着ですら窮屈に感じてしまっている下肢が圧迫されているようで苦しい。
 ぎゅ、とくちびるを噛み締めながら、でもそんななけなしの抵抗もどんどんと溢れてしまう声に、もはや限界だという自覚があった。
「も、ぉ……ぃ、かげんに……っ」
「うん?」
「ぅ、く……やめっ……」
 じゅる、とヨシュアが太腿に吸い付いたまま唾液を啜る音を立てるたびに、びく、びく、と俺の意思とは関係なく身体が跳ねる。
 焦らされすぎた身体はどこかの機能が壊れてしまったかのように痙攣が止まらなくなってしまっていて、みっともなく震える声で懇願する以外に選択肢は残されていなかった。
「いいかげんに?」
「っ……ふ、ぅ」
「なあに」
「も……さわ、って……」
 自分の中の凄まじい羞恥心と葛藤しながらも、どうしても我慢しきれずにおずおずとほんの少しだけ、腰を浮かせるようにして張り詰めた下肢をヨシュアに向かって突き出す。そうすると太腿に下肢を埋めているヨシュアの鼻先に
 一番恥ずかしい部分を突きつけていることになって、あまりのことに直視することができずぎゅっと目を瞑った。
「ここ?」
「う、ぁっ」
 するとヨシュアは無垢な表情で遊ぶようにその指先を滑らせて服の上からぐいぐいと弄るものだから、あまりにも焦れったく響く快感に頭の中が焼き切れてしまいそうな錯覚を覚えて、ぶるぶると首を振る。
「だめ、あぅ、だめっぇ」
「ダメなの?」
「う、あふ、ぅ……も、ほんとにっ……だめ、ぇ、だからぁっ」
 ひ、ひ、と喉がひくついて上手く声を作ることができずに、もどかしさでじんわりとまぶたが熱くなるのを感じた。なおも硬くなったそこをくりくりと玩ぶヨシュアのゆびに、泣きたい気持ちでいっぱいになる。
「口で言わないとわからないよ?」
「ふ……ぇ……ちゃんと、さわ、て……」
「うん」
「ちゃ、と……イかせ……っ」
 はぁはぁと乱れる呼吸に邪魔されて、最後まで喋ることができない。けれど俺の消え入りそうな涙声を聞いてさすがにヨシュアも哀れに思ったのか、かちゃかちゃとベルトを外して下着ごとハーフパンツをずり下げると、素直にその白いゆびを俺の性器に絡ませた。
「うぁ、あぁっ」
「何もしてないのに、もうぐちゃぐちゃ」
 漏れ出す先走りで遊ぶようにくちゅ、くちゅ、と音を立てて鈴口を撫でられ、むき出しになった敏感な箇所への刺激にひっきりなしに声が出てしまう。
「あひ、はぁ、あう……ふう、ぅ……っそ、な、しちゃあ……っ」
「そう? でもホントはもっと、こういうのも好きでしょ?」
「ひっ、ぃ」
 砂場で戯れる子どものようににっこりと無邪気に微笑んでから、ヨシュアはその形のいい桜色のくちびるで、俺の性器をなんの躊躇いもなくぱくりと咥えてしまった。
 あまりのことに理解が追いつかず、温かな口内に包まれたまま、過敏になっているくびれのふちをぬるやかな舌で舐められて、がくんと身体が揺れる。
「や、あ、あぁっ……!」
「ふふ、ネク君のこんなにびくびくしてる。キモチイイ?」
 ちゅ、ちゅ、と先端に口づけながら、割れ目を広げるように尖らせた舌先を押し込まれると、何かが漏れ出してしまいそうな尿意にも似た切ない快感が走り抜けた。じくじくと尿道を熱くする感覚が怖くて、必死にヨシュアの髪の毛を引っ張る。
「だ、めぇ……っそれ、やらぁ……!」
「いや? ホントに?」
「やあぁ……それぇ、やぁ、なのっ……! いやぁ……っ」
 湧き上がる嗚咽でびくつく喉を叱咤しながら、ヨシュアの頭を抱いたまま半狂乱になって懇願した。けれどヨシュアのくちびるは離れずに、あろうことか俺の屹立を咥えたままじゅる、と音を立てて強く吸い上げるものだから、込み上げてくるものを堪えることができなくなる。
「だめ、しゅあ……でちゃ、でちゃぁっ」
 射精感と似て非なるその感覚に焦燥感を煽られ、今度こそ必死でヨシュアの肩を押し返そうと手に力を込めるもののぐずぐずになった身体ではろくに力が入らず、掴んだ手はずるずるとヨシュアのシャツを滑った。
「いいよ、出せば?」
「ちが、ちがう、から、あっ……だめ、だめえ、ぇ……! とい、れ……いかせ、てぇ」
「どうして? いつもみたいに出してごらん」
「ちがぁ、のぉ……らめ、しゅあ……ゆるし……い、ぅ……あッ!」
 いやいやと駄々をこねる俺に首をかしげながら、ヨシュアは追い上げるようにその手でぎゅっと張り詰めた陰茎を強く握る。そんな風にされてはたまらず、その刺激で我慢していたものがぱしゃ、と音を立てて放出されてしまった。
「わ、っと……」
「う……あっ……あ……」
 勢いよく放たれた温かい液体はもろにヨシュアの顔にかかり、どうにか腰を引こうとするのも虚しく滑らかな頬と前髪をしとどに汚した。そのまま徐々に勢いをなくしてしょろしょろと漏れでるものが、ソファの掛け布に黄金色のしみを作るのを信じられない気持ちで見つめる。
「あ……あ……」
 ヨシュアが太腿の内側やら、脚の付け根やらの下半身ばかり弄るものだから、その刺激で徐々に尿意を催し始めていたのだと頭ではわかっても、どうすることもできない。
「ああ、なんだ……おしっこ、出ちゃったの?」
「い、あ……ご、ごめ、なさ……」
 とんでもないことをしてしまったのだけは分かるのに、俺の頭はその役目を放棄してしまったかのように呆然とするばかりで、ただなんでもないことのように、それこそ世間話のような口調で飄々としているヨシュアが信じられなかった。
「あ、う……よ、ヨシュア、かお……顔、洗わなきゃ、あ、ごめ、ごめ、んっ」
「うん?」
「お、おフロ、さっき沸かした、から、は、はやく」
 ようやく頭が事の重大さを徐々に理解し始めてくれて、とにかくヨシュアをキレイにしなくてはという焦りに追い立てられながら慌ててその頬に手を伸ばす。けれど、場違いなほどにふんわりと柔らかく微笑んだヨシュアに手を掴まれ、その勢いのまま床から腰を上げたヨシュアに肩を押されて、どさ、とソファの上に押し倒された。
「あ、っ……?」
 そのまま俺にのしかかるように乗り上げて、何事もなかったかのようにするすると下肢をなで始めるヨシュアの行動が理解できない。
「よ、しゅあ、おフロ」
「うん。でも僕がおフロ行っちゃったら、ネク君困るんじゃない?」
「ひっ、あ」
 付け根のきわをまさぐっていたヨシュアのゆびがくるりと後孔をなぞると、そのまま細い指先が唐突に内部に押し込まれた。俺の懇願などまるで意に介していないかのような行為に、頭がついていってくれない。
「ほら、こんなにぱくぱくさせて」
「や、ぁ……いやっ、よしゅ、あっ」
 粘膜を広げるようにゆびを動かされると、俺の意思とは関係なくくちゅ、といやらしい音が聞こえてきて、内部を暴かれる感触にぞくぞくと背中がわなないた。
「やだぁ、よしゅあ、よしゅあっ」
「ナカ、もうやわらかくなってるみたい。そんなに我慢してた?」
「あ、あう、ぅ」
「それとも」
 ほんの少し内部を掻き回しただけでヨシュアはずるりとゆびを引き抜くと、そのままいきり立つ自身の屹立を俺の後孔にぴたりと押し当てる。そうしてから上体を倒すように顔を寄せられて、未だ濡れたままの頬と髪からむわ、と漂う臭気に嫌悪感は湧いてこず、ただくらくらと自分がどこかに行ってしまいそうなほどの眩暈がした。
「僕におしっこ引っかけて興奮しちゃったの?」
「いあぁ、あぁ……!」
 抵抗する間もなく、ひくつく入り口に容赦なく屹立を押し込まれて、どこから出たのかもわからない高い声が自分の口から上がったのだけがわかる。満たされる内部は確かに自分でもわかるほどに熱くなっていて、ほどけた粘膜は浅ましいくらいにしつこく打ち込まれたヨシュアの熱に絡みついた。
「や、だあぁ……しゅあ、ねが……おねが、ぁ」
「イヤ? 違うよね? イヤじゃないでしょ」
「あ、やら……しゅあ、よごしちゃ、から……おふろ……ねが……っしま……」
 ぐずぐずに泣きじゃくりながら懇願しても、ヨシュアは楽しそうに微笑むだけで俺の言葉なんて聞いてくれようともしない。
「だって、もうこんなにぴんぴんになってるんだもんね?」
 みちみちと粘膜を押し広げる性器の硬さで内部を苛めながら、ヨシュアはその腹に擦られて立ち上がる屹立を唐突に掴んで、ぐじゅ、ととても口にはできないほど淫靡な音を立てた。
「ひぃ、いっ」
「ほら、もうこんなに白くなってる。出したい?」
「やぁ、あ……らめ、さわ、ゃあ……めぇ、らからぁ……!」
 先ほど漏らしてしまった尿を押し流す勢いで白い先走りを垂れ流す性器を強く掴まれて、器用なゆびで敏感な部分をくじられると、もう理性など保っていることができなくなる。反動でぎゅ、ぎゅ、と強くヨシュアを締めつける内部から響く快感に、自分自身が消えてなくなってしまうような錯覚を覚えるほどにどろどろと意識が溶けていく。
「ああ、なんか違和感あるなって思ったら」
 ふと、まるで行為とはかけ離れた、天気の話でもするかのようなヨシュアの口調に疑問を覚えて、のろのろと顔を上げた。
「う、ぅ……?」
「ネク君怪我してるから、いつものかっこでできないんだね」
 いつもの格好というのは、俺を四つん這いにさせて犬のように後ろからしてくるアレのことだとおもう。ヨシュアはするときはその体勢が好きらしくて、俺が何も言わなければ大抵はその体位になる。
 でも今日は膝を突くその体勢は昼間の怪我のせいで取ることが出来なくて、ヨシュアも自然と今の体位を選んでいたらしい。
「お、れは……こっちの、がすき、ぃ……ら、けど……」
「ん?」
「ふ……んん、く……な、んでも、ないっ」
 ぼそりと呟いた言葉はヨシュアの耳に届いたのかわからないけれど、首をかしげるヨシュアは俺の頬にゆびを添え、顔を寄せて開いたままの俺のくちびるに口づけながらその瞳をほころばせていたから、もしかしたら聞こえていたのかもしれない。
「ん、んく、ぅ……んむ、んん」
「ああ、でも」
「ふ、ぁ?」
「これだとしながらでもキスできるから、たまにはいいかもね」
 先ほどまでの出来事だけでもはや俺の頭が理解できる許容量をとっくに越えてしまっていたのだけれど、わけの分からなくなった頭でも脳はヨシュアの言葉を断片的に拾うものだから、なんとか理解しようと努力する。
 俺からするとたまにではなくていつもこうがいいのだけれど、それを口にしてやるのはなんだか俺らしくないような気がして、何も言わずにただヨシュアの首に回した手にぎゅっと力を込めた。
「はぁ、あぅ……んぷ……っふぁ、しゅ、あ……なんか、しょっぱ、い……」
 ちゅく、と音を立てて舌を絡ませるヨシュアのくちびるは、なんだか俺の知らない、へんなあじがする。
「ふふ……だって、ネク君が出したんじゃない」
「う、っ?」
「ほら、いいよ。いきたいんだよね?」
「あ、はぁ……! あ、ぁ、あぅっ、ゃ……そ、な、しちゃ、あ……あ、あぁ……!」
 ずぐ、と内部を犯すヨシュアの屹立に強く粘膜を抉られて、容赦のない動きに壊れたレコードのようなみっともない声がだらだらと流れる唾液と共にこぼれた。ぎゅう、と収縮する内部に、ヨシュアはやっぱりどこか嬉しそうだ。
「自分のおしっこ舐めながらいっちゃうんだ……?」
「ふあぁ、あう、あふぅ……んく、んん……しゅ、あ……よしゅあぁっ……!」
「ほんとに、ネク君って……いやらしい子」
 笑うヨシュアの言葉をもう俺の頭は欠片たりとも理解してはくれなくて、ただその穏やかな安心する声に震える鼓膜から犯されながら、ゆっくりと内臓を犯すような逃げられない快楽にずぶずぶと引きずられていくしか、ヨシュアに全てを任せてしまった俺には術がなかった。


「……やっぱり俺納得いかないんだけど」
「何が?」
「だからぁ、あれ、なんのシミなんだよ!」
 お風呂上りのさっぱりした表情で、清潔なタオルにやわらかな髪を包みながら首をかしげるヨシュアを、きっ、と精一杯の力で睨みつけた。けれどヨシュアはどこ吹く風で、器用にも片手で無造作にごしごしと自分の頭を拭っている。
 なぜか行為の途中からぷっつりと記憶が途切れてしまっていて、気が付いたら浴槽の中にいた。ヨシュアの様子と俺自身の具合から、性行為に至ったことは確かなのだけれど、途中からがどうにも曖昧なのだ。
 その上お風呂から上がったらなぜかソファーカバーに何かをこぼしたような盛大なしみが出来ていて、けれどよくよく確かめる前にそれはヨシュアの手で引っ剥がされ、洗濯籠に放り込まれてしまった。変に何かを隠すようなヨシュアの態度に疑問を覚えて尚も洗濯籠を漁ろうとしたのだけれど、無理矢理ヨシュアの手でソファに座らされ、膝の痣に湿布を貼られて、あれよあれよという間に俺はヨシュアの膝の上に収まってしまう。
「ああ、暴れないで。またぶつけたら困るから」
「じゃああれが何なのか教えて、手離せよ」
 ヨシュアに背中を預けるかたちでぎゅっとお腹に回された腕を胡乱げな視線で指し示すけれど、当の本人は曖昧に微笑むだけだ。汚れの種類によっては、洗濯の仕方も変わってくるというのに。
「だから、ちょっとお茶こぼしちゃっただけだってば。なんなら僕が洗濯するからさ、ね。気にしないで」
「お茶なんか淹れた記憶ないし。っていうか、おまえ洗濯機回せるのか」
「うーん、がんばってみる?」
「いい、おまえ絶対壊すから、俺が洗うから!」
 家事全般をこちらに任せ切りのヨシュアに、あんな大きなものがちゃんと洗濯できるとはとても思えない。
「じゃあやっぱり、あれがなんなのかは聞かないで欲しいな」
「だから、なんで!」
 まったく、これでは堂々巡りだ。
「だって、ねぇ?」
「?」
「ネク君のためにも、さ。知らないほうがいいこともあるよ?」
「???」
 覚えてなくてよかったね、と、そんな風ににっこりと有無を言わせぬ表情で微笑まれてしまうと、どんなに抵抗してもやっぱり俺は騙されてしまって、結局その原因を知ることはできないだろうことが分かってしまって、もはやため息しか出てこなかった。
 後々、ヨシュアの目を盗んで洗濯籠を覗いたときにはもうあのソファカバーは跡形もなく消えてしまっていて、次の日新品のカバーをヨシュアが買ってきたことでまた一悶着あったのだけれど、まあそれはまた別の話だ。


高樹さんちの設定なので自重しましたが、個人的にはネクにおもらしの記憶があったほうが萌えます。 20091221

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